「ごめ……ごめんなさい」
ようやく出てきた謝罪の言葉。
「冷た……」
「はい、本当にごめんなさい……。私にできることならなんでもします」
「“なんでもする”なんて、そんなの、軽々しく言うことじゃないよ」
「いやでも、軽い気持ちで謝ってるわけじゃないので」
「じゃあなに? この命、あなたの好きにお使いくださいってくらいの、本気の覚悟があるの?」
「……そ、そこまではない、かも……?」
さすがに命までは捧げられないけど、自分の過ちはきちんと償う最低限の覚悟はある。
「でも、黒土くんの気の済むまでこき使ってもらって、ぜんぜん大丈夫なので……! 荷物持ちとか、購買にパン買いに行ったりとか。あとはノートとったり、希望があれば課題もやりますっ」
どうかな?おそるおそる、相手の様子をうかがえば
くすり、と笑う気配がして。



