寂しいな……。
ホットミルクを啜りながら、夜までひとりでなにしようかなってぼうっと考える。
洗面所の水音が止んで、少し経ってから、今度はクローゼットの開く音がした。
準備を終えてダイニングに戻ってくるまで、10分ほど。
部屋を出ていく前、怜悧くんは「誰が来てもドアは絶対開けるな」と言った。
「万が一、ドア越しに俺の居場所を聞かれたら、知らないとだけ答えればいい」
本当はもっといろんなことを話したかったのに、うん、と小さく頷くことしかできなかった。
赤帝の制服でもなく、部屋着でも私服でもなく
黒のスーツに身を包んだ怜悧くんが、――ひどく遠い存在に思えたから。



