しばしの沈黙。

じっと怜悧くんに見つめられるのを感じて、私は頑なにうつむき続ける。


すると、ふいにダンボールを床に置く音がして。



「やっぱりお前、今日はずっとここにいろ」

「えっなんで」

「……悪いようにはしねぇよ」

「……、」


それ理由になってないけど……。


「れ……、京町くんは、“女といると疲れる”んじゃないんですか?」

「だから。その女がいる状況に慣れるために、本田サンに来いって言ったんだよ」


「?……はあ、つまりは?」

「QUEENの席を埋めるための準備」


ああ、三好くんとかが言ってた「実験」的な……。



「QUEENの空席続きで世間体が悪いだけならいい。けど、 QUEENの座争って校内の治安が悪化したとか、学校から言いがかりつけられて、もう逃げ道がなくなった」


ソファに座った怜悧くん。長い脚をだらりと投げ出して、なんとも冷たい顔で話を続ける。