冷静に……なろう。
えーと、チャンスなのでは?
少女漫画で、こういうハプニングからいい雰囲気になるシーンを何度も見てきたよ。
ここは可愛い声で「ありがとう」と言うべきなの、きっと。
いつもよりワントーン高いイメージで、あ、甘えるみたいな、猫みたいな……。
よし、言うぞ!決心した矢先。
「まだ力入んねぇの? 手離していーか?」
私のお腹の上で、もぞ、と怜悧くんの手が動くから。
「ひゃあ、ぅん」
う……! ヘンな声出た……っ。
「も、もう立てますっ、すみません!!」
伝えたいのは謝罪の言葉じゃないのに……。
はあ、はあ……っ。
自力で立った瞬間に、走ったあとみたいな息切れが襲ってくる。
このまま一緒にいたら酸欠で倒れそうだし、それ以上にさらになにかやらかしそうだしっ。
「今日は、やっぱり帰ってもいいですか……っ?」
「帰るってどこに」
「へ、あ……確かに。……あ! く、QUEENの部屋?に」
「なら隣だな」



