無駄だと思ってしまうくらい広い玄関に足を踏み入れて、1歩、2歩、3歩。
手と足が一緒に出てることに気づいて、ひとりで勝手に体を熱くさせながら、怜悧くん見てないよね!?と顔を上げたら――。
「っ!」
視線がからんだ挙句、動揺して足元への注意はおろそかになり
「ひあっ!? ぁあああ」
つま先になにか固いものが当たって、つんのめる。
おわっ、顔面からいっちゃう!
またしても怜悧くんの前で失態を犯──、
「……っぶねぇな」
──さずに、済んだ?
顔が地に着くことはなかった。
……後ろから抱きとめられてる、から。
怜悧くんの手が……手が、腰に回されて……っ。
パニックになっていると、さらに強く引き寄せられる。



