「やっとふたりきりになれたねえ、るなこ」
ふわぁとあくびをする。
このマイペースさ、だんだん猫に見えてくる。
「眠くなってきた、これじゃあ午後の授業には出られないねえ、るなこ」
「私は出るよ」
「だーめ。るなこもおれと寝るんだよ。ああ、そういえば腹も減ったな、ハイおにぎり」
なにやらゴソゴソしたあと、ブレザーの内ポケットからボン!と、どでかくて黒い塊が出てきた。
「昼飯まだでしょ~、売店名物・赤帝スーパーおにぎりですよ、税込み700円ナリ」
「え、高!」
「お金はとらない。おれとるなこの仲だからね? ちなみに、さっき買ったばっかりだから品質は保証しますよ」
700円のおにぎりを無料で提供するなんてなにか裏がありそうな……と思いながらも、思えば昨日からろくに食べてないし。
「ほんとにもらっていいの? 黒土くんもお腹空いてるんでしょ?」
「もう1個あるからいーの」
内ポケットから同じものを取り出した黒土くん。



