カケル……?

問われた黒土くんはなぜか私を見て、にやっと笑った。



「今日は“願(ねがい)”、で」

「へえ、黒土にしては珍し」

「そこにいるお姫様のために仕方なく~。おれに教えてほしいことがあるんだとか。そーだよね?」



と、再び視線を送られて、そういえばと思い出す。

お団子ツインテールの女の子のために、私はここに来たのよ!



「あ、はいっ。黒土くんの、好きな女の子のタイプをお聞きできたらなと……!」


張り切って答えた直後、ぱちり。

怜悧くんと視線が合わさった。


一瞬だったと思う。


それなのに、長い間、……時間が止まったみたいだった。