すぐ戻ってくるの「すぐ」は、果たしてどのくらいの待ち時間を表すのか。

わからず待ち続けて、早くも1時間が経過する。



1時間のうち、何を考えていたのかといえば、当たり前に1つしかない。


今もじんじんするくらい熱い……。

間違いなくあれは大大大事件。



でも不思議なことに、あのシーンを頭の中で何度も再生すればするほど、なぜか現実味がなくなっていく。

怜悧くんに優しい手つきで触れられたことも……。

きっとからかってるだけなんだよね。

私にとっては、どれも刺激が強すぎたのに……。



「“続きは、また今度”……」


口にしても、誰もいない部屋に虚しく消えていくだけ。

怜悧くんにとったら、私は「転校生の本田サン」でしかなくて……。


なのに、なんでキスなんか……。

QUEENの実験台だからかな?


時間が経つにつれて、嬉しさよりも切なさで胸がぎゅっとなる。