なぐさめてほしいなんて、欲を出してどうするの、ここで！
「女の扱いは三好が一番うまい」
そう言いながらまた距離をとる怜悧くん。
つまり、三好くんのところに行けと？
これ以上しつこくしたら、さらに嫌われるって頭ではわかるのに。
「──、
怜悧くんのそでを引っ張ったのは
体が、勝手に動いたから。
……私の、ばかたれ。
「なに」
「う……」
「…………」
怜悧くんがいい、なんて言えるわけもなく。
でも、怜悧くんの意識が私だけに向いている今、なにか伝えないと一生後悔しそうだとも思って、頭はいっぱいいっぱい。
けっきょく、言葉が出ない代わりに涙が湧(わ)き水のように溢れてくる始末。
「おまえな、」
にじんだ視界の中、端正な顔が初めて歪む瞬間を見た。
