男の人だかりができていて、そのせいで注目の先が見えない。
焦りを感じながら、俺は首を伸ばしてそっちを見た。
「……っ」
目に入った人の姿に、ごくりと喉が鳴る。
そこにいるのは予想通り、静香先輩だった。
予想以上に……可愛い格好をしている静香先輩。
私服……内心楽しみにしてたけど、それは……。
俺を探しているのか、きょろきょろと周りを見渡している静香先輩。
ゆるっとしたワンピースに髪も可愛く結んでいる。
俺は女性の服装や髪型にくわしくないから名前はわからないけど、清楚な衣装もとても似合っていた。
静香先輩もデートを楽しみにしてくれていたのか、嬉しそうなのが隠せていなくて、その姿は言葉では説明できないくらい可愛かった。