「このアプリを入れて……名前とか入れてください。フルネームとかはダメですよ」
「え?そうなの……?」
「一応個人情報は気にした方がいいので、ニックネームとかの方がいいです」
「わ、わかりました……!」
静香先輩は考えた末、「しずか」と登録した。
ニックネームではない気がするけど、可愛いからいいか。
「はい、俺のアカウント登録しておきました」
アカウントの交換をして、静香先輩にスマホを返した。
先輩は画面を見つめながら、目を輝かせている。
「ふふっ、これでいつでも、和泉くんと繋がっていられますねっ……」
そんなの……こんなものがなくたって……いつでも繋がっているのに。
こんなポエマーみたいなこと、恥ずかしいから口にはしないけど。