何が狙うなだよ、俺のセリフだ。

あの人は……この先もずっと、俺だけの恋人だから。



「……おい」



立ち上がって、ペラペラとうるさい部員たちの方を見た。



「うるさい」


2年の先輩たちもいる中でタメ口はどうなのかと思われるかもしれないが、今はそんなこと気にしていられない。

睨み目を向けると、一同は顔を真っ青にさせた。



「な、なんだよ和泉、ちょっとくらいいいだろ〜」

「静香先輩は我が校のマドンナなんだよ!!」



マドンナという単語に、ぴくりと顳顬(こめかみ)が動いた。


改めて気づいたが……

静香先輩の恋人になるってことは、幾人ものライバルが現れることを覚悟しなければいけないってことか……。

だからと言って付き合いを辞めたいなんて一切思わないけど、奪われないように努力しなければいけないと決心を固くした。