この人によって、俺の世界が急激に変わっていく。
でもその変化が、嫌なことでは少しもなくて——ただただ、幸せでしかなかった。
不本意ではあるけど……愛しい人のお願いを、無下にするわけにはいかないだろう。
「……もし本当にマネージャーになるなら、いくつか約束してください」
俺の言葉に、静香先輩の表情が一変した。
「約束?」
キラキラと期待に満ちた瞳に、もう反対するという選択肢はすっかり消えてしまっていた。
まあ俺も……部活に静香先輩がいたら、前より一層頑張れる気がする。
ただでさえ学年が違うし、接点が少ないから……どんな理由でも、一緒にいれる時間が増えるのは嬉しかった。
「他の部員とベタベタしないこと。必要最低限の接触はしないこと。部活以外で交流しないこと」
自分で言っていながら、独占欲丸出しだなと少し引いてしまう。
でも、このくらい徹底しないといつ悪い虫がつくかわからないから……。