そんなの、私から頭を下げてお願いしたいくらい。


私の反応に、和泉くんは嬉しそうに笑った。



「ありがとうございます」



こうして、私たちの間に朝の約束ができた。


……のだけれど、その約束はすぐに、あまり意味をなさないものになる。





水やりを終えて和泉くんとバイバイし、教室に戻る。

リナちゃんはまだ来ていなくて、私は読みかけの本を読みながら時間を過ごした。



「しーずか」



程なくしてリナちゃんの声が聞こえ、顔を上げる。



「おはよ」

「おはようっ」

「……なんか幸せそうねぇ」



えっ……そ、そんなに、顔に出てたかなっ……。

恥ずかしくって、視線を逸らした。



「和泉と付き合い初めてから、ほんと幸せオーラだだ漏れよ〜。ほんと、ぞっこんね」



リナちゃんの言葉にひとつも反論できず、視線を下げたまま身体を縮こめた。