まさか義妹に、ついに手を出そうとは。
でも、そんなこと俺がさせない。
窓ガラスを割って入ろうとも思ったが、セキュリティに反応するのは避けたかった。
扉に強い前蹴りを入れると、呆気なくチェーンごとドアが外れてくれる。
無我夢中で、桜の部屋へと駆け上がる。
多分、ベッドだと行っていたから…部屋にいるはずだ。
俺のそんな予想は当たったようで、桜の部屋の扉を開けた先に、二人はいた。
目の前に飛び込んだ光景に、自分の中の何かが、ブチッとキレる音がした。
「…………おい」
俺の声に、顔を青くさせているお兄さん。
お兄さんの下には…押し倒されるような体勢の桜が、瞳からポロポロと涙を流していた。
ああ、間に合った。
ーーでも、そんなものは関係ない。
「…ッ、…お、前…どうして家の中にっ…」
…喋んな、死んどけ。
回しで勢いを付けてから、踵骨で奴の喉頭隆起を殺す気で蹴ってやった。

