まだ状況がはっきりとはわからないが、一刻を争う事態かもしれない。

片方の手でスクロールを繰り返し、空いた方の手の指関節をバキバキと鳴らした。

もしあいつが、桜に変なことをしているんじゃないかと、考えるだけで…暴れる心を落ち着けることなんて出来ない。



『辛そうだな…今日はもう寝たほうがいい。ベッドまで、俺が運んでやるから』



…………触るな。

俺の桜に、指一本でも触れるな。

話しかけるな目に映すな同じ空気を吸うな…ッ…


ーー嫉妬で、頭がおかしくなる。



『やっ…はぁっ…やだぁ…』



桜子の、色っぽい喘ぎにも似た声が聞こえた。