がっ君の家に帰る間、がっ君はずっと、わたしを抱きしめてくれた。
怖いものはもうなにもないんだと言ってくれているようで、先程の恐怖も、次第に薄れて行く。
ただ、身体の火照りだけは、時を刻む毎に増していく気がした。
身体が……熱い。
がっ君の家に着いたのか、車が完全に停車する。
「桜子。抱っこしていい?」
「じ、自分で歩くっ……」
「こんなフラフラなのに、歩けるわけないだろう?良い子だから、少しだけ我慢して」
がっ君の手が、わたしに触れた。
…っ、はぁっ。
声が漏れそうになって、必死に両手で口を押さえる。
頭はくらくらして、ふわふわして、わけのわからない感覚に、先ほどまで止まっていたはずの涙が再び溢れ出す。
「着いたよ。ほら……」
ゆっくりと、ベッドに沈んでゆく身体。