……触ってほしくてたまらないのに、触られたらどうなっちゃうのか怖くて……もう、なにもかも怖くて……っ。



「俺が、怖い?」



がっ君は、苦しそうに眉を顰めて、わたしを見つめてくる。

怖い……がっ君、が?


そんな、わけないっ……。



「怖く、ないっ……」



怖かったけど、思い出すだけで、がっ君が来てくれなかったらどうなっていたかと思うだけで、怖くて足が竦んでしまいそうだけど……

がっ君は、大丈夫だもん……っ。


がっ君の綺麗な手が、伸びてくる。

優しく優しく、その手はわたしに絡みついて、ゆっくりと抱き寄せられた。



「桜……大丈夫だよ。もう大丈夫だから」



……っ。

耳元で囁かれた言葉。

わたしは静かに、下唇を噛み締めた。