「ゃ、やめっ…がっ君っ…」
「ちょっと待ってね桜子。先にこいつの息の根止めるからさ」
冗談には聞こえない言い方に、怖くなってがっ君へと手を伸ばす。
やめてっ…お兄ちゃん、死んじゃう…!
本当にそう思ってしまうほど、がっ君から発せられる異様なほどの憤怒。
お兄ちゃんはもう意識を失ってしまっているようで、防戦一方の状態だった。
言うことをきかない身体を必死に動かして、がっ君の背中に抱きつく。
「やだっ…」
やめて、もうやめてっ…。
「………桜子、危ないから離れてて」
「わたし…大丈夫、だから…っ、だから…」
こんな状況なのに、身体が火照って仕方がない。

