お兄ちゃんは痛みに身悶えるよう、首を押さえながら倒れ込んでいた。



「どこから、入って来たッ…」

「チェーン、ぶっ壊してお邪魔しました」



そう言って、わたしの方を見たがっ君。



「がっ君っ…」



助けに来て、くれた…。

もう大丈夫なんだと思ったら、酷く安堵してポロポロと涙が零れだす。



「…………………あー」



がっ君が出したそれは、呻き声のような声だった。



「お兄さん…勘弁してください…」



歯軋りのような醜い音が聞こえたと思ったら、次の瞬間、がっ君はお兄ちゃんに殴りかかったのだ。

耳を塞ぎたくなるような音が響いて、目の前の光景に目を疑う。

何度も何度も…、止まる気配も見せないがっ君。