足音なのかと疑うような轟音が、怒りを露わにしているようで。




ーードカンッ!!!


部屋の扉が外れるんじゃないかと思うほど、慌ただしく荒々しく開けられた。


…どう、して…。



「…………おい」



…がっ君が、ここに、いるの…っ。

聞いたことのないような、寧ろ本当にがっ君の声なのかと聞き返したいくらいに、

怒りを含んだ低すぎる声が、部屋に響く。


わたしに覆い被さっているお兄ちゃんは、がっ君の姿を見つめて顔を真っ青にした。



「…ッ、…お、前…どうして家の中にっ…」



本当に一瞬。
もうなにが起きたかわからないようなスピードで、突然お兄ちゃんが床へと倒れこむ。

がっ君が、お兄ちゃんを蹴り飛ばしたんだろう。