【完】君は狂った王子様。Ⅱ


がっ君がわたしの身体に覆い被さって、ベッドが少し沈んだ。

目を瞑ってすぐ、唇が重なる。



「んぅ…っ」



いつもの長いキスみたいに、がっ君は角度を変えながら味わうように唇を動かす。

すると、突然生温かいものが口内に入ってきた。


…っ!



「っ……んっ……」



思わず鼻から抜けるような声が出て、身体がゾワゾワする。

生温かいものの正体はどうやらがっ君の舌のようで、わたしの口内で好き勝手暴れ始めた。


歯列をなぞられたり、口の中いっぱいに舌を押し付けられたり…わたしの口内を確認するように、がっ君は動きを止めない。


恥ずかしくて気持ちよくて、変な声が出るのを止められないわたしの瞳から、生理的な涙が溢れる。