「ああ桜子。ケーキ出来たの?」

「うんっ…」

「そうか。なら、お茶にしようか?」

「ん…お兄ちゃん、この臭いなに?」



鼻をつまみたくなるほどの、異臭。



「ああ…少し実験してたんだ。あるものを作っていてね…。ごめん、窓を開けるよ」

「そっか…実験なら仕方ないよね…」

「ありがとう。さ、リビングへ行こう。俺が紅茶を淹れるよ」



お兄ちゃんは、部屋の扉を開けてから、わたしの背中にそっと手を添えて部屋を出るように引かれた。



「桜子はミルクティーでいいか?」

「うん!」



わたしも、ケーキとプリン用意しよう…!

テーブルに並べられた、スイーツとマグカップ。



「じゃあ、いただこうか?」