わたしはあんまりレパートリーもなく、レシピを見たら作れる程度だから、女性としての負けを確信する。
やっぱり、料理とかって作れる方がいいよね…
がっ君もきっと、家庭的な人の方がいいはずだ。
少しずつお勉強をしていこうかなと思いながら、食べ終わったお皿を台所へ持っていく。
「洗い物はわたしがするねっ。ケーキも、今から作ろうかな…」
「ありがとう。俺は…少し部屋で研究のレポートを作るよ」
レポート?
お兄ちゃん、忙しいのかな…。
「ケーキ出来たら、呼びに行ってもいい?」
「…ああ。…待ってるね」
わたしの頭を撫でて、リビングから出て行ったお兄ちゃん。
よーし、先に洗い物終わらせよう。
そう思い、マグカップに手を伸ばした時、滑ってカップが倒れてしまう。

