「…そうなのか?」



すれ違う二人に、見ているこっちまでドキドキして、最後のハグのシーンは感動しちゃったもん…。



「…日本のラブストーリーは随分プラトニックだな…ベッドシーンもないなんて」



少しバカにしたような掠れた笑みを零したお兄ちゃんに、首を横に傾げる。



「プラトニック?ベッドシーン?」



何?その単語…。



「……まさか、知らないのか?」



お兄ちゃんは、目を見開きながら、ありえないとでも言うかのような表情でわたしを見つめた。

そ、そんなに、驚かれてもっ…わたしが英語苦手なこと、お兄ちゃん知ってるでしょ…?




「……京極君と、まだしてないのか?」

「?なにを?」



何故か真剣な眼差しを向けてくるお兄ちゃんに、再び首を傾げる。




「エッチって言ったらわかる?」

「なっ…お、お兄ちゃん、何言ってるのっ…!」



真顔で破廉恥な発言をし始めるお兄ちゃんに、わたしは頰がカアァっと熱くなる。

きょ、兄妹でそんな話をするのはどうかと思うし、それに、それくらいなら、テレビの知識でなんとなくは…。



「京極君と、もうした?」

「し、してないよっ…!どうしてそんなこと聞くのぉ…」



み、身内の人とそう言う会話をするなんて思わなくて、思わず顔を下に向ける。