【完】君は狂った王子様。Ⅱ



「お願いしますって…ふふっ、なんだかいけない気分になるよ」



わたしの返事に、がっ君は息苦しそうな声を出す。



「はぁっ…どうしよう、興奮してきた…」



がっ君の手が、優しくわたしの額に重ねられ、前髪を掻き上げられた。

そのまま額に軽いキスをされ、甘い眼差しで見つめられる。

その瞳で見つめられるだけで、溶けちゃいそうなほど顔が熱くなった。


は、恥ずか、しい…っ。



「桜は何もしなくていいからね。ただ、俺を受け入れて…」



がっ君の指が、わたしの唇に触れた。

緊張で、身体が強張るわたし。



「そんなに力まなくてもいいよ。唇、開いて…?」



こくり。

頷いて、恐る恐る唇を開いた。



「ふふっ、かわいいなぁもう。…大丈夫だよ、ただただ気持ちよくしてあげるから…」