えへへっ…。
お兄ちゃんは食にはとてもうるさいから、舌は確かだ。
昔より美味しくなくなったって言われないように、お兄ちゃんに吟味してもらおうっ…。
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スーパーに寄って、ケーキを作る材料を揃えた。
当たり前のように袋を持ってくれるお兄ちゃんに続いて、家に入る。
「ただいま」と言った言葉に、今日は返事が帰って来ない。
基本的には在宅で、事業と兼任しているお母さんは、家にいることの方が多い。
「今日お母さんいないのかな?」
「ああ。二人は仕事で、明日の夜まで帰って来ないみたいだよ」
お兄ちゃんの言葉に、わたしは思わず「え?」と声を漏らした。
「そんなこと朝はなにも…」
「桜子が飛び出して言ったから、伝える機会を逃したんだろう。今日は仲良く二人でお留守番だな?」
そうだったんだ…。

