がっ君のことを想いながら、車窓から見える景色を眺める。

可愛らしいケーキ屋さんが見えて、ハッとした。


…あっ、そうだ!



「お兄ちゃん!スーパー寄っちゃダメかな…?」

「スーパー?いいけど、どうして?」

「がっ君にね、ケーキを作ってあげたくて…。今日練習したいの」

「…へぇ」



わたしの言葉に、お兄ちゃんは低い声を出した。

…?

ダメ、だった…?



「いいよ。材料を買いに行こうか」



不安になったのもつかの間、笑顔で了承してくれたお兄ちゃん。



「ありがとう!お兄ちゃん、味見してくれる?」

「桜子の作ったものなら、なんでも喜んでもらうよ」