【完】君は狂った王子様。Ⅱ



「桜子は何も悪く無いよ。さあ、一緒に帰ろう?お母さんに内緒で、桜子の好きなプリンを買っておいたから」

「ほんとにっ…?お兄ちゃん大好きっ!」



嬉しくなって、思わずお兄ちゃんに抱きついた。

ちょうど、プリンが食べたいと思ってたのっ…!



「ふふっ、俺も大好きだ…桜子」



わたしの頭を撫でてくれる手に、甘えるように擦り寄った。



「…桜子は、お兄さんと帰るの?」



…あっ。

すっかりとがっ君がいるのを忘れてしまっていて、慌ててお兄ちゃんから離れた。

そうだ、どうしよう…お兄ちゃんと帰るってことは、がっ君と一緒にいれないんだもんね…。

がっ君とはいたいけど…でも…



「ごめんなさい…せっかく迎えに来てもらったから、今日はお兄ちゃんと帰るね…?」



ここまで来てもらったのに、突き返すことは出来ない…。