「桜子は何も悪く無いよ。さあ、一緒に帰ろう?お母さんに内緒で、桜子の好きなプリンを買っておいたから」
「ほんとにっ…?お兄ちゃん大好きっ!」
嬉しくなって、思わずお兄ちゃんに抱きついた。
ちょうど、プリンが食べたいと思ってたのっ…!
「ふふっ、俺も大好きだ…桜子」
わたしの頭を撫でてくれる手に、甘えるように擦り寄った。
「…桜子は、お兄さんと帰るの?」
…あっ。
すっかりとがっ君がいるのを忘れてしまっていて、慌ててお兄ちゃんから離れた。
そうだ、どうしよう…お兄ちゃんと帰るってことは、がっ君と一緒にいれないんだもんね…。
がっ君とはいたいけど…でも…
「ごめんなさい…せっかく迎えに来てもらったから、今日はお兄ちゃんと帰るね…?」
ここまで来てもらったのに、突き返すことは出来ない…。

