「ねぇがっ君…」
「ん?どうしたの?」
「今日は…静かだね?」
いつもなら、女の子たちが集まって、がっ君を取り囲むのに…。
この学園では異様な光景に、違和感が拭えない。
隣に並んで歩くがっ君は、わたしの方を見ながら、ご機嫌な様子で笑った。
「言っただろ?桜以外の女とは、必要最低限会話しないって」
…え?
そういえば…文化祭の日、本心を打ち明けた後、そんなことを言われた気が…。
で、でも、だからって、突然こんなに環境が変わるなんて、おかしくないかな…?
「女の子たちに、何か言ったの…?」
「ふふっ、そんなこと、気にしなくていいんだよ。桜と二人きりの時間が増えて、嬉しいな」
え、えっと…答えに、なっていない気が、する…。
理由が気になって仕方なかったけど、がっ君はとても上機嫌だし、わたしも二人でいれるのは素直に嬉しい。

