そんな風に言ってくれるがっ君は、とても大人だ。

お兄ちゃんの方が年上なのに…普通は逆だよ。

お兄ちゃんが、優しくしてあげるべきなのに。


そういえば…どうして、お兄ちゃんはがっ君に冷たいんだろう。

その理由を、考えたことがなかったかもしれない。



「がっ君とお兄ちゃんは、仲が悪いの…?」



がっ君は、少し驚いた表情をした後、いつものようにふわりと笑う。



「どうだろうね?まあでも…男にはいろいろあるんだよ」

「いろいろ?」

「うん。…いろいろ」

「うーん…よくわからない…」

「そうだね…わからなくていいから、目を瞑ってみて?」



目?

言われた通りに瞼を閉じれば、唇に熱いものが重ねられた。