「お兄さんと、何かあった?」



まるで、わたしの心の中の声が聞こえていたかのような質問。



「…っ、どうして?」



否定するよりも先に、疑問を口にしてしまった。

びっくりしたっ…わたし、まだ何も言ってないのに…!



「なんとなく、そう思って。…で、何か嫌なことされたの?」



嫌なことを、された訳じゃない。

お兄ちゃんは、基本的にわたしの嫌がることはしないし、いつも優しいもの。

わたしには、優しい……



「お兄ちゃん…どうしてがっ君と仲良くしてくれないんだろう…」



がっ君に言っても、どうしようもならない疑問を零した。



「昨日も、お兄ちゃんが酷い態度とって、ごめんなさい…」



首に手を回して、がっ君と目を合わせた。

薔薇色の瞳が、優しくわたしを見つめる。



「いいんだよ。気にしていないから」