もうすでにがっ君のお家の車が停まっていて、わたしは急いで駆け寄った。

がっ君…っ。


車窓からわたしの姿が見えたのか、車から降りてきたがっ君が微笑みを浮かべていた。



「おはよ…、!…桜?」

「がっ君っ…」



真っ直ぐに、がっ君へと飛びついた。

泣き顔を隠すように、がっ君の胸に顔を埋め、隙間が無くなるくらいキツく抱きつく。



「…どうしたの?何かあったの?」



突然抱きついてきたわたしに驚いたのか、がっ君は心配そうな声を出す。

何も答えずに、ただ抱きしめる腕に力を込めた。



何も言わずにいると、ひょいっと軽々と持ち上げられて、そのままわたしごと車内へと乗り込むがっ君。

ソファに座って、わたしを膝の上に乗せると、がっ君はあやすように背中を撫でてくれた。