【完】君は狂った王子様。Ⅱ





「うん…暖かい…」



そういえば、わたしが泣いていた時、お兄ちゃんはいつも抱きしめてくれたなぁ…。

お兄ちゃんは本当に優しくて、いつもわたしを可愛がってくれた。


お母さんとお父さんに怒られた時も、いつもわたしを庇ってくれたのを覚えている。

大好きな、家族…。



「なぁ桜子」



お兄ちゃんの声に、「どうしたの?」と返事をした。



「さっきのは、本当なのか?」

「さっきの?」

「…京極君と、付き合っているのか?」



〜っ!

突然の質問に、驚いて言葉を失う。

そ、それは…その、だから…っ


何か言い訳をしようと思ったけど、…やめた。



「…う、ん…付き合ってる」



隠すことではないし、何より自分が否定したくはなかった。