「うん…暖かい…」
そういえば、わたしが泣いていた時、お兄ちゃんはいつも抱きしめてくれたなぁ…。
お兄ちゃんは本当に優しくて、いつもわたしを可愛がってくれた。
お母さんとお父さんに怒られた時も、いつもわたしを庇ってくれたのを覚えている。
大好きな、家族…。
「なぁ桜子」
お兄ちゃんの声に、「どうしたの?」と返事をした。
「さっきのは、本当なのか?」
「さっきの?」
「…京極君と、付き合っているのか?」
〜っ!
突然の質問に、驚いて言葉を失う。
そ、それは…その、だから…っ
何か言い訳をしようと思ったけど、…やめた。
「…う、ん…付き合ってる」
隠すことではないし、何より自分が否定したくはなかった。

