【完】君は狂った王子様。Ⅱ



そして俺は、奴を桜から引き離すことにした。



計画通りにオーストラリアの大学へ入学したあいつ。

長くて4年弱、早くても3年。

3年経てば、桜と俺は籍を入れ、桜は俺の本家へ嫁がせるつもり。だからーーあの男と、衣食住を共にする必要は無くなる。


俺だって爪は甘く無いから、あの男が帰国することを考えていなかったわけではない。

けれど、この時期に帰ってくることは想定外…いや、不可能なはずだった。


…それに、あいつが帰国するときは、連絡が入るはずだったのに。


もしかして、気づかれたか…?


早急に家に戻り、確認することが山ほど有る。

ああ…桜を、忌まわしいあいつがいる家に置いてくるなんて。

やっぱり、無理にでも連れてきてしまえばよかった。


桜の両親には嫌われたくはないから、流石に邪魔は出来なかったけど。


心配だ…。


待っててね、桜子。

ーー俺がすぐに、そこから連れ去ってあげるから。



俺の腕にくっきりと残る赤黒い痣が、奴への憎悪を表していた。





【side 牙玖】-END-