「……ぷはっ……、ま、待って……!こ、こういうのってせめて夜にするものじゃないのっ……?」



まだお昼だし、部屋も明るいし、恥ずかしいっ……。



「そんなことない。時間なんて関係ないよ」

「ほ、ほんとに……?」

「ほんとだよ……勉強の前に、桜を堪能させて」



耳元で、色っぽい声に囁かれ、顔が真っ赤になる。

あ、煽った覚えは、ないけど……でもっ、



「……好きなだけ、どうぞっ……」



がっ君になら、いくらでもあげる。



だからわたしにも、

これからもずっと……おかしくなっちゃうくらいの愛をちょうだい。



「あー……早く結婚したい……」

「き、気が早いよがっ君」

「早くなんてないよ……物心ついた時からずっと、桜と結婚できる日を待ってるのに……テストが終わっても、家に帰したくない……」

「ふふっ、結婚したら、毎日一緒にいれるから……それまでは我慢しよう?」



そんなことを言っている私も、気が早いのかもしれない。



「桜の口から……け、結婚っ……」

「が、がっ君……?」

「はぁ……そうだね……卒業するまであと少し……今は恋人の期間を楽しもう」

「うんっ……!」

「それじゃあ、桜は覚悟だけしてて」

「何を……?」

「結婚したら……毎日俺に愛される覚悟」



そう言って、キスとともに私を抱きしめてきたがっ君。


抱きしめてくるその腕から、

愛を囁くその唇から、

わたしを見つめる、その紅の瞳からーー



ーーわたしは、がっ君がくれるありったけの愛を、全身で受け止めた。