「読み終わった?」
がっ君が、わたしの隣に腰を掛けて、ソファが少し沈む。
顔色を伺うような視線に、顔を上げた。
「うん……」
がっ君の手は、壊れ物を扱うように優しくわたしの頭を撫でてくれて、溢れた涙が頰を伝う。
「どうして泣くの?」
「……っ」
「桜?」
「……っ、わたし、お兄ちゃんに、酷いこと、しちゃったっ……」
お兄ちゃんばかりを責めてた。
どうしてあんなことをしたの?
お兄ちゃんだと思ってたのに、信じてたのに、裏切られたって……被害者面もいいところだ。
わたしなんかより、お兄ちゃんの方が何倍も苦しかったはずだ。
長い間、がっ君に片想いしていたのに……黙って隣にいることの辛さをわかっていたのに。
お兄ちゃんの気持ちを考えたら、胸が張り裂けてしまいそうだ。

