【完】君は狂った王子様。Ⅱ




「読み終わった?」



がっ君が、わたしの隣に腰を掛けて、ソファが少し沈む。

顔色を伺うような視線に、顔を上げた。



「うん……」



がっ君の手は、壊れ物を扱うように優しくわたしの頭を撫でてくれて、溢れた涙が頰を伝う。



「どうして泣くの?」

「……っ」

「桜?」

「……っ、わたし、お兄ちゃんに、酷いこと、しちゃったっ……」



お兄ちゃんばかりを責めてた。

どうしてあんなことをしたの?
お兄ちゃんだと思ってたのに、信じてたのに、裏切られたって……被害者面もいいところだ。

わたしなんかより、お兄ちゃんの方が何倍も苦しかったはずだ。

長い間、がっ君に片想いしていたのに……黙って隣にいることの辛さをわかっていたのに。

お兄ちゃんの気持ちを考えたら、胸が張り裂けてしまいそうだ。