【完】君は狂った王子様。Ⅱ





このまま、逃げ続けて良いわけないって思ってたの。

がっ君に任せて、お兄ちゃんから逃げて……そんなの、なんの解決にもならないよね……。

今度会った時には、きちんと……


そう思った矢先、次に書かれていた言葉に、わたしは目を見開いた。



【桜子がこの手紙を読んでいる時、俺はもう日本にいない】



……え?



【研究の仕事が出来たから、オーストラリアに戻るよ。

今度日本に来た時は、真っ先に桜子の元へ行くから。正真正銘、桜子の『お兄ちゃん』として。ガールフレンドの一人や二人、横に並べてね】



お兄ちゃん……っ。



【裏切るような真似をして、本当にごめんな】



その文字を最後に、手紙はしめられていた。

目からじわりと溢れる涙が、手紙に一滴のシミを作る。