このまま、逃げ続けて良いわけないって思ってたの。
がっ君に任せて、お兄ちゃんから逃げて……そんなの、なんの解決にもならないよね……。
今度会った時には、きちんと……
そう思った矢先、次に書かれていた言葉に、わたしは目を見開いた。
【桜子がこの手紙を読んでいる時、俺はもう日本にいない】
……え?
【研究の仕事が出来たから、オーストラリアに戻るよ。
今度日本に来た時は、真っ先に桜子の元へ行くから。正真正銘、桜子の『お兄ちゃん』として。ガールフレンドの一人や二人、横に並べてね】
お兄ちゃん……っ。
【裏切るような真似をして、本当にごめんな】
その文字を最後に、手紙はしめられていた。
目からじわりと溢れる涙が、手紙に一滴のシミを作る。

