【桜子を愛していると言ったのは、俺の本心だ。
愛しいお前が京極君に盗られたと思って、まだ盗り返せるんじゃないかと思って、あんな事をしてしまったんだ。元から、俺のものでもないのに。
頭を冷やした今ではわかるよ、正気の沙汰じゃなかったって】
"愛している"
その五文字が、ズシリとのし掛って、心臓に痛みが走った。
お兄ちゃんが、どんな気持ちで今までわたしのそばに居てくれたのか。
この手紙を書いたのか。
どれだけ自分が、無神経なことをしてしまったのか……
お兄ちゃんだけが、悪いわけじゃない。
本当は、謝りたかったんだ。
気づいてあげられなくてごめんね、って。

