「俺のことしか知らなくていいって思ってたんだ。桜にとって、全部が俺になればいい。
桜に悪影響を及ぼすものはぜーんぶ俺が排除して、桜には綺麗なものだけ与えて……もし、桜が俺がいなくちゃ何も出来ないような子になったら、それはそれでいいやって思ってたんだ」
頭を優しく掴まれたと思ったら、上を向かされた。
数秒間見つめ合った後、わたしに降ってきたのは、優しいキス。
甘くて愛しい、微笑みと共に。
「なのに……いつからそんなに、逞ましくなったの?」
口元を緩ませて、嬉しそうに笑うがっ君は、再び強くわたしを抱きしめた。
「俺は桜のためなら、悪者にだってなんだってなるのに。……俺のことなんか、気にしなくていいのに」
「そんなの、だめっ……」
「……もう、俺の負けだよ。結局いつも、桜の可愛さには歯が立たない。……きちんと話すから、ひとりで勝手に決めたりしないから、仲直りしよう」

