「桜、何か俺に言いたいことがあるだろう?」

「……っ」



全てを見透かしたような瞳が、わたしを捕らえた。

壁に押し付けられるような体勢で見つめ合い、ごくりと息を飲む。

どうして……わかったんだろう……わたし、何も言ってないのに……。



「えっと……あ、あの……」

「ん?」

「綾小路さん、のこと……で……」

「……うん」

「……っ、が、がっ君が……何か、した?」



口から出てきた言葉に、罪悪感が湧き視線を下へ逸らす。

こ、こんな言い方、まるでがっ君が何かしたって決めつけてるみたい……

もし、がっ君が何も関わっていなかったら……



「……してないよ」

「……あっ」

「……けど、あの女は桜に酷いことをしたから、退学に追い込んでやろうとは思ったよ。でも俺の制裁が怖かったから、自主退学したんだろう。……賢い選択だね」



ーーーっ。