朝の支度をして、ホテルから学校へと向かった。
いつも通りの日常なのに、繋いだ手がとても暖かく感じて、わたしたちの間には前よりも固い絆ができた気がした。
チャイムが鳴って、朝のSHRの始まりを教えてくれる。
担任の先生が、どこか悲しげな面持ちをしながら教室へと入ってきた。
教卓の前に立ち、ゆっくりと口を開いた先生。
「えー……実は、綾小路さんがご家庭の事情で転校することになりました」
……え?
綾小路さんが……?
そういえば、最近見かけなかったけど……っ、まさか……
わたしは、慌ててがっ君の方をみた。
そんなわたしに気づいたがっ君は、こちらを見つめたままにこりと微笑む。
「どうしたの?」
「……う、ううんっ、なんでもない……!」