口角の端を上げて意味深な笑みを浮かべるがっ君に、わたしは慌てて離れようと距離をとる。

けれど、それは許されず、後頭部を掴まれると呆気なくがっ君の元へと引き寄せられた。



「ご、ごめんっ、なさいっ」

「んー、何が?」

「ね、寝てる時に……そのっ……っ、がっ君、いつから起きてたの……!?」

「桜が目を覚ます前から」



……ってことは……ずっと、起きてたの……?



「まさか狸寝入りをしていたら、可愛い彼女からのキスが待ってるなんて思わなかったよ」

「……っ」

「……気持ちよかった?」

「……っ……!」

「あー……ほんとにどうしてそんなにも、可愛いことしかしないの?朝から俺、大変だよ」