「がっ君……」
もう一度名前を呼んで、反応が返ってこないことを確かめると、わたしはそっと、綺麗な唇に自分のものを近づけた。
ゆっくりと、それをくっつけてみる。
ちゅっ、というリップ音が響くだけで、がっ君は目を覚まさなかった。
ん……もう、一回……。
一回、二回、三回……回数を重ねるごとに、気持ちよくなってきて、止まらなくなる。
どう、しよう……わたし、寝込みにキスするなんて、破廉恥、なのに……っ。
目を瞑って、何度もキスを落としていく。
吸い付く唇が気持ちよくて、もう何回目だろうかと数えられなくなった時、
「ーーー桜、いつからそんなイケない子になっちゃったの……?」
……え?
驚いて目を開けると、視界に映ったのは、瞳をパッチリと開いたがっ君の姿。

