【完】君は狂った王子様。Ⅱ



わたしの身体に触れるがっ君の手から伝わる熱が、火傷しそうなほど熱い。

身体のラインをなぞるように、ひとつひとつ確かめて行くような意志を持った動き方に、漏れる声が抑えられなかった。

それでも、恥ずかしさを捨てられるほど自我を飛ばせるわけもなく、声を押し殺すように、自分の指をぎゅっと噛む。



「ふっ、んんっ……っ」

「桜……手、噛んじゃダメでしょ?」

「だ、だって……っ、……声っ……」

「……恥ずかしいの?……でも、ダーメ」



がっ君は、愉しんでいるような声で囁いて、わたしの手をぺろりと舐めた。

突然のことに、霰もない声が漏れてしまう。



「興奮するから……抑えないで、もっと声聞かせて」



そんな、ことっ、言われても……っ。

こんな恥ずかしい声、聞かれたくないっ。