【完】君は狂った王子様。Ⅱ




俺の中の理性は、プツリという音を立てて、呆気なく切れてしまった。

あ、はは……ダメだ、



「もう……桜子が愛しくて、頭がおかしくなっちゃった……」



変な笑が、湧き上がる。

これは歓喜だろうか、いや……もう狂喜 の域に値する。


桜と俺の愛には、埋められないほどの差があると思っていた。

けれど俺はそれでいいと思っていたし、これからもそうなのだと心の片隅で思っていたのだろう。

それなのに……どうして……


桜なりに、一生懸命俺を愛してくれているのだと、痛いほど実感した。



「泣かせてごめんね?俺も、ずっと桜を抱きたかった。……うんっと優しくするから、全部…俺にちょうだい」



愛してる……愛してる、愛してる愛してる愛してる。

何度言ったって足りない、伝わらない。