【完】君は狂った王子様。Ⅱ




この顔だけで、何度だって抜けてしまう。

この状況でこんな卑猥なことを考えてしまう自分は、我ながら変態以外の何者でもない。


目をぎゅっと瞑った桜は、自分の手を、俺の手に重ねてきた。



「あんまり、わからないけど……ちゃ、ちゃんとわかってるっ……!」



……なに、それ。

あんまりわからないのに、ちゃんとわかってるの?

桜は賢いのに、たまにわけのわからないことを言うね……そういうところも、呼吸困難に陥りそうなほど好きだけど。



「初めてって、痛いんだって。……それでも、いいの?」

「が、我慢できるっ……」

「止めてって言うなら今だよ。多分俺、触れた途端に理性が崩れる自信があるから」

「う、うんっ……」

「……ッ、ほら、止めてって言え。桜、いい子だから、俺をちゃんと止めて」

「止めなくて、いいって言ったっ……」



小さな身体が、しがみつくように抱きついてくる。