【完】君は狂った王子様。Ⅱ




「……やだっ……」



耳を疑う言葉が聞こえて、目を見開いた。

……やだ?



「桜……?」



どういう意味だ……?

真意を求める眼差しを向ければ、桜は目から涙をポロポロと流しながら、俺の服をぎゅっと握った。



「がっ君がわたしのこと、大切にしてくれてるのなんて……わかってるもんっ……わかってるから……」



さ、くら……



「全部全部がっ君のものにしてっ……?お願いっ……」



ーーー愛狂おしい程の可愛さに、息も出来ない。

全然わかっていない。

桜……俺がどれだけ、俺にとって桜がどれほど大きな存在か、お前は全くわかっていないんだ。

だからそんなことが言えるんだよ……