その姿に、欲情しないはずがなく、ゴクリと喉を鳴らした。
「桜……」
愛しい名前を呼んで、顔を近づける。
ゆっくりと触れ合った唇から、桜の緊張が痛いほど伝わってきた。
それは、ある種の恐怖とも取れる、脅え。
ーーーああ、矢張り俺は……
「桜、やっぱり、今日はやめようか?」
「えっ……?」
きょとんと、驚いた表情の桜の隣に寝転んで、小さな身体を引き寄せた。
少し震えてしまっている身体に、罪悪感に苛まれる。
その脅えを取り払ってあげたくて、優しく背中を撫でた。
「どうして、やめるの……?」
「ん?」
「わたしのこと、嫌になった……?」
泣きそうな声が聞こえて、心臓が張り裂けそうなほど締め付けられた。
ああ……頼むから、そんな顔をしないで。

