俺はそれで、ほんとうに安心するのだろうか。
自分を安心させるために、桜の大事な初めてを、貰ってもいいのだろうか。
ここ数日、そればかりを考えていた気がする。
浴室から出ると、ソファーにちょこんと座る桜が見えた。
その背中は、緊張のせいか、いつもより小さく見える。
ゆっくりと近づくと、俺の足音に気づいたのか、こちらを振り返る桜。
「お待たせ」
「う、うんっ……」
桜の隣に座ると、真っ赤な顔で目を逸らされてしまった。
ああっ……可愛いな。
俺の桜は、どうしてこんなにも愛らしいんだろう。
見ているだけで、癒される……。
「がっ君っ……」
「ん?どうしたの?」
「あの、あっち、向いて?」
……え?